2012年10月23日火曜日

「田中一光とデザインの前後左右」

  先日21_21 DESIGN SIGHTで「田中一光とデザインの前後左右」を観て、祖父江慎さんのトークショーを聞いてきました。祖父江さんのお名前を知ったのは、吉田戦車さんの「伝染るんです。」だったのですが、面白いものを作る方はお話もすごく上手なのですね。専門的な話も混ぜつつ、デザインに関して全くド素人の私でも分かりやすく話して下さいました。「一光さんの作品の歴史は文字との闘いだった」というテーマで、一光さんのポスター作品を20代の頃のものから順を追って見せながら、明確でシャープなものから曖昧で柔らかいものに変わっていく様子がよく分かりました。また、その根底には日本の伝統文化である書の心があることも。日本語は漢字、ひらがな、数字が入り交じっているので、それを一つのポスターの空間におさめることの難しさを改めて感じました。
ここだけ撮影可能だったので、一枚。たとえ一光さんの名前を知らなくても、無印や西武やロフトやTOTOのロゴは毎日のように目にするし、どんな色でこんなデザインだっていうのがだいたい浮かぶところがすごいなと思います。意外だったのはケーキのトップスや石丸電気のロゴも一光さんデザインなんですね。そして、過剰包装が当たり前だった時代に簡易包装を提唱するなど、デザインだけではなく企業理念にまで影響を与えていたデザイナーの先駆けだったのだなということもよく分かりました。
 デザインに詳しくなくても楽しめる展示だと思うので、機会があればぜひ!

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