2012年8月4日土曜日

子育てホラー「少年は残酷な弓を射る」

  先日観た「少年は残酷な弓を射る」の感想を。映画館の冷房が効いていたせいなのか、映画が恐ろしいせいなのか、寒気が止まりませんでしたよ!真夏の子育てホラーですよ!
主演もクールビューティー、ティルダ様。世界中を旅した冒険家であり、作家でもあるエヴァを演じています。妊娠をきっかけに、子育てに専念するわけですが、どこかでふと思う「子供なんて産まなければ良かった。」という感情が息子ケヴィンとの間に溝をつくってしまうのです。ここまでなら、まぁありそうな話なのですが、このケヴィンが恐ろしい子!子役も絶妙に憎たらしい演技で、私ならきっと耐えられない・・・と思いました。母親の感情はすべてお見通しという目をして、父親には無邪気に甘えたりしながら母親には心を開かないのです。
やがて美しい少年へと成長するのですが・・・とんでもない事件を起こします。よく事件が起こると「まさかあの子が!」みたいなインタビューが出てきますが、やはり兆候って程度の差はあるでしょうが、全くないってことはないと思うのですよね。ケヴィンの行動になぜ?と震えていたのですが、ラストで少しわかった気がします。ケヴィンはただ母親に自分だけを見て欲しかった、愛して欲しかった。そしてエヴァも決してケヴィンを愛していなかったわけではないということも。子育てって思うようにいかない事もきっと多いだろうし、エヴァのように考えてしまうのも一概には責められないよなぁと。
 普通は時系列にそって描かれるのですが、この映画は事件が起こった後から始まって、前後しながらすすみます。(エヴァの髪型に注意!)成功した作家であるエヴァがどうして一人で小さな郊外の家に住んでいるのか?なぜ人々から罵られ、冷たい目で見られるのか?それが徐々にわかっていく演出がよかったです。加害者の家族に何が起こるのか?ということについても考えさせられました。恐ろしい映画ですが、ラストで少し救われるというか希望も感じられます。

観終わると原題の「WE NEED TO TALK ABOUT KEVIN」がしっくりきます。ケヴィンの着てるTシャツか結構可愛いのですが、それものちのち伏線となるので注目!監督はサマンサ・モートン主演の「モーヴァン」を撮ったリン・ラムジー。これから期待したいと思います。

2 件のコメント:

  1. チェリーです
    感想をありがとうございました。映画ほどドラスティックではないのですが、きっと私はエヴァと似たところがあるのだと思います。保育園に息子を迎えに行くと、20分は顔を出してくれない・・・夫が行くと喜んで飛び出してくるのに、なんて経験もありました。「愛し方」って難しいですね。
    まだ上映期間はあるようなので、勇気を持って観てみようと思います!

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    1. チェリーさんコメントありがとうございます!
      きっと観た方は多かれ少なかれ、エヴァの気持ちに共感するところがあるのではないのかなぁと思いました。
      母と息子の関係ってなかなか複雑なのですね。異性だからっていうのもあるのかもしれませんが・・・。
      もし機会があればぜひ!

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